熊本県天草市にある滝の周辺で8月中旬、水遊び後に下痢や嘔吐(おうと)を訴える人が相次いだ。県は急きょ看板を設置して注意を呼びかけるとともに、川の水が原因の感染症も疑われるとして調査中だ。流れる川の水に、どんなリスクが潜んでいるのか。
天草保健所などによると、天草市天草町の下津深江川にある「轟(とどろき)の滝」周辺で13日に水遊びをした高校生7人が、2~3日後に下痢や嘔吐の症状を訴えた。翌日から同様の症状を訴える人が相次ぎ、医療機関の受診者は23日までに子どもを含む計109人に上っている。重症者はいないという。また、109人との重複は不明だが、直接保健所に連絡を寄せた人が41人おり、うち1人は一時入院していたという。県は感染症を疑い、患者の便や水質の検査などをして原因の特定を急いでいる。
23日、現場を記者が訪れた。夕景で知られる天草下島の下田温泉から車で5分ほど。山の中の県道を進むと、下津深江川の中流に滝が見えてくる。つり橋の真下で、高さ5メートルほどの滝がしぶきをあげ、迫力のある轟音が響き渡っていた。滝の周辺には、問題を受けて「遊泳や水遊びは控えて下さい」と書かれた看板がたてられていた。
実は多い川遊びでの感染症、その原因は
学生時代から頻繁に訪れてい…