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湯西川ダム=2025年2月17日、栃木県日光市、由利英明撮影
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 再生可能エネルギーの利用拡大に向けて治水・利水を目的とした多目的ダムを活用しようと、国土交通省は管理する湯西川ダム(栃木県日光市)で、新たに水力発電所を設置・運営する民間事業者を公募している。同省や水資源機構管理の既存ダムでは初の試みで、現在は三つのダム(湯西川のほか、島根県の尾原、愛媛県の野村)で募っている。

 2012年に完成した湯西川ダムは、鬼怒川上流のダム群の一つで、鬼怒川・利根川流域の洪水被害を防いだり、上水や工業用水などを供給したりしている。ダム高は119メートル。土砂などを除いた有効貯水容量は7200万立方メートルある。

 湯西川ダム湖は、夏場を中心に水陸両用バスによるツアーが行われていることでも知られる。

 湯西川ダムにはもともと、ダム管理のための電力を賄う小規模な水力発電所(最大出力350キロワット)があり、電力余剰時に売電もしている。今回の新設発電所は、最大出力1919キロワット、年間供給電力は約600万キロワット時(一般家庭約1600世帯の年間消費電力に相当)が想定され、売電を目的にした事業者が応募してくるとみられる。

 公募の参加申し込みは昨年1…

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