樹枝状の結晶(左)と雲粒付き粒子の結晶(右)=北海道気象技術センターと北海道大学気象学研究室提供

 パウダースノーがベタベタの雪に? 温暖化が進むと冬に北海道で降る雪が、現在本州で降っているような粒子が特徴の雪になると、北海道大と気象庁気象研究所の研究チームが数値シミュレーションで確かめた。従来の天気予報や気候変動予測のシミュレーションでは降雪や積雪の「量」についてがほとんどで、形状や密度など降雪粒子の特徴がどう変わるかはよくわからなかった。雪質の将来変化や、雪崩の起こりやすさの予測などに役立つことが期待される。

 研究チームは、過去の研究をもとに、温度や湿度の違いでどのような結晶の形に雪の粒子が育ちやすいか過程を計算できるモデルを独自に開発。大気の流れや雲の動きなどをシミュレーションする気象モデルに組み込んだ。北海道で現在と、温暖化で世界の平均気温が産業革命以前よりも4度進む場合について、北大のスーパーコンピューターを使い、降雪粒子の特徴がどう変わるかを調べた。

 その結果、現在は大気中の氷粒子が周囲の水蒸気を取り込みながら角柱や針状、角板、樹枝状などの結晶に成長していくのが多いが、温暖化が進んだ将来では、氷粒子に周囲の水滴が付着してできる雲粒付き粒子やあられが増えていくと予測された。

現在(2021年)の北海道での雪の粒子の成長過程のシミュレーション結果(1月)。ふわふわした軽い雪に多い、角柱や角板などの結晶に育ちやすい部分(黄色や水色)が広がっている=佐藤陽祐さん提供
温暖化が進んだ北海道での雪の粒子の成長過程のシミュレーション結果(1月)。本州に多いタイプの、雲粒付き粒子に育ちやすい部分(赤色)が大きく増えている=佐藤陽祐さん提供
様々な形状の雪の結晶。上段は左から針状、角板、樹枝状、角柱で、従来の北海道のサラサラした軽い雪に多いタイプ。下段は左から雲粒付き粒子、あられで、本州の雪に多いタイプ=北海道気象技術センターと北海道大学気象学研究室提供

 角柱や針状、角板、樹枝状な…

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