【将棋中継】渡辺明九段ー永瀬拓矢九段、決着へ【第83期将棋名人戦・A級順位戦】

A級順位戦で永瀬拓矢九段に勝ち、残留を決めた渡辺明九段=2025年2月22日午前1時3分、東京都渋谷区、杉村和将撮影

 将棋の第83期名人戦・A級順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の7回戦が21日に東京・将棋会館であり、渡辺明九段(40)が永瀬拓矢九段(32)に勝って4勝4敗とし、A級残留を決めた。

 渡辺九段は昨年5月に運動中に左ひざを負傷し、手術のため12月中旬から約1カ月間休場した。休場前後の順位戦2局は最後まで対局ができずに投了したが、この日は休憩を含め15時間に及ぶ激戦を制した。終局時間は日付が変わった22日午前1時すぎ。一進一退の攻防が続く中で渡辺九段が終盤で優勢となり、最後は逆転の狙いを秘めた永瀬九段の反撃手を見切って勝利した。

 A級順位戦はトップ棋士10人のリーグ戦で、優勝者が名人に挑戦し、2人がB級1組へ降級する。最終9回戦の一斉対局は27日に静岡市で指される。

 渡辺九段はA級順位戦7回戦の対局から一夜明けた22日、朝日新聞の取材に応じた。談話は以下の通り。

    ◇

 「ひざの違和感がすごくあり、今は将棋を指すことで精いっぱいという状態で、昨日もどうなるかわからないところがありました。ただ始まってしまえば、ひざのことを気にしながらも、盤面のことを考えることができたかなと思います。あの時間まで指せたことは一つの前進です。昨日は久しぶりの実戦で、相手が永瀬九段ということで正直かなり厳しいと思っていたんですけど、思っていたよりいい将棋が指せたかなと思います」

 「脚については、自分でも何が起こっているのかわかっていないところがあります。普段ならこまめに動いたりストレッチしたりいろいろな体勢ができますが、対局はずっと座ったままになるので、日常生活の負荷と全然違います。椅子にあれだけ長くずっと座っていると脚が固まってくるので、それが悩みです。今は結果よりも、脚がけがをする前の状態に戻って将棋を指したいのが一番です。対戦相手や主催者、将棋連盟職員など多くの方に迷惑かけながらやっていることに対して本当に申し訳ない気持ちです」

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