渡良瀬川の渓谷でゾンビが増殖している――。列車の乗客を驚かし、ダンスまで踊る。その正体は地元の高校生たちだ。赤字のローカル鉄道の支援で始まったイベントが刺激となり、新たな街づくりに向けた意識が少しずつ芽生えている。
5月2日、栃木県日光市と群馬県桐生市を結ぶ、わたらせ渓谷鉄道(わ鉄)の大間々駅(群馬県みどり市)。停車中の車両に人気音楽ユニットYOASOBIの曲が流れると、血だらけの制服に身を包んだゾンビたちが登場し、狭い通路で踊り始めた。
1カ月後に運行する「ゾンビトレイン」の練習で、ゾンビに扮するのは地元の桐生市立商業高の生徒たちだ。
ホラー映画などで人気のゾン…