米価の歴史的な高騰で、政府が需給を調整する減反政策の欠陥が浮き彫りになった。石破茂首相は持論の減反廃止を求めるが、米価の暴落を恐れる農林水産省は及び腰だ。減反廃止に向けて、年100万トン超とみられる余剰生産能力をいつまでに、どう整理するのか。政府には、その道筋をつけることが求められる。

つやつやと炊きあがった新米
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 2月28日、首相官邸の総理執務室には、石破首相と農水省の渡辺毅次官らの姿があった。減反廃止をめぐり、石破首相は「いつまでも減反を続けるべきではない。生産性を上げて、農家が自由にコメをつくれるようにすれば、米価は安くなる」と主張した。

 渡辺次官は、生産性の向上については「しっかり取り組みます」と述べたものの、減反廃止には難色を示し続けた。

 しびれを切らしたように、石破首相はこう述べたという。「そんなことを言ったって、20年間農水省は何もしてこなかったじゃないですか」

 減反廃止は、石破首相のかね…

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