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ジャパンディスプレイ(JDI)の茂原工場=2019年、千葉県茂原市

 経営再建中の液晶ディスプレー大手ジャパンディスプレイ(JDI)は12日、主力の茂原工場(千葉県茂原市)を売却する方針を発表した。2026年3月をめどに生産を終了し、データセンターへの転用を見込んで売却を検討する。同社の国内工場は石川工場(石川県川北町)のみとなる。

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 生産終了に伴い、生産設備などの減損損失を含む203億円を特別損失に計上する。25年3月期の純損益は620億円の赤字になる見通しだ。赤字幅は昨年11月時点の従来予想より227億円広がる。

 JDIの通期の純損失は14年の株式上場以来、11年連続となる。JDIは18年3月期に過去最大の2396億円の純損失を計上。その後、一時は赤字幅が縮小したが、23年3月期から再び赤字が拡大している。

 同社は茂原工場の売却方針について「慢性的な赤字体質から脱却するためには、これまで以上に大きな戦略転換が必要」とする。茂原工場は規模が大きい半面、稼働率が低下していた。生産終了によって最大で年間約250億円の固定費削減が見込まれるという。

 約1300人の従業員は石川…

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