29日に公表された厚生労働省の統計によると、2024年の小中高生の自殺者数は527人(暫定値)で、統計がある1980年以降で過去最多となりました。インターネット上の自殺関連の検索に連動して相談先などを表示し、心理職など専門職による相談支援につなげてきたNPO法人OVAの伊藤次郎代表にどう見ているか聞きました。
――小中高生の自殺者は527人でした。死にたい気持ちを抱えた子どもはさらにたくさんいて、深刻な状況です。
コロナ禍に子どもの自殺が急増し、コロナが収束しても高止まりしています。少子化が進む一方、児童生徒の自殺は527人となる緊急事態です。
10代、20代、30代と、いずれの死因も自殺が最多です。「自分たちの周りの若い人が自殺によって亡くなりうるのだ」という事実をまず皆さんに知ってほしいです。
「死にたい」と顔には書いていません。相談支援のなかでは、リーダー的役割をするなど学校や家庭で適応しているように見える子どもでも、死にたいと考えるほどつらい気持ちでいることがあります。
苦しさ感じているのは大人も
実際に亡くなった子どもだけ…