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第77回愛知県高校野球選手権大会 至学館―中京大中京 二回表、至学館の井口睦丈選手が左前へ適時打を放つ=2024年9月23日、小牧市民、松本敏博撮影
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 (23日、第77回愛知県高校野球選手権大会決勝 至学館5―3中京大中京)

 二回表、1点を先制してなおも2死二塁。3球目、走者が走ったのに合わせて、至学館の井口睦丈(むつたけ)選手(1年)は高めの直球を振り抜いた。打球は三遊間を抜け、左前へ。貴重な追加点で試合の主導権を握った。

 「それまでバットが振れていなかった。監督がサインを出してくれたので、気持ちよく振れた」と井口選手。エンドランは、打席での2球の見逃し方を見た鈴木健介監督からの指示だった。

 昨夏、創部当初から18年間監督を務めた麻王(あさお)義之さんが勇退。代わってチームを率いる鈴木監督は、コーチとして18年、麻王さんの隣で「ひとを見る」指導を学んだ。選手を観察して役割を与え、選手がそれに応える。監督も「大きかった」と語るエンドランでの追加点はそうして生まれた。

 「20人で勝つのがベストゲーム」と鈴木監督。全員野球で秋季県大会の頂点を初めてつかんだ。至学館は春と夏、計2度の甲子園出場経験があるが、まだ1勝をしていない。井口選手は「甲子園で1勝」を目標に掲げて、東海大会に挑む。(松本敏博)

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