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ビルの解体現場のがれきから私物を捜す楠健二さん=2024年11月18日午後、石川県輪島市、金居達朗撮影
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 7階建てのビルが横倒しになり、道路をふさいでいる。

 石川県輪島市の中心部。元日の地震から時が流れてもその光景は変わらず、見るたびに復興が進んでいないと感じてきた。

 ビルは、隣接する居酒屋「わじまんま」を押しつぶした。店主の楠健二さん(56)は、妻の由香利さん(当時48)と長女の珠蘭(じゅら)さん(当時19)を失った。

 川崎市に転居し、再び店を開いた楠さんは11月18日、ビル本体の解体が始まってから初めて、輪島市を訪れた。

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 冬の足音を感じる午後。重い雲が垂れ込め、雨が降ったりやんだりしていた。

 「ぬれた木材の朽ち果てたこ…

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