十八銀行(長崎市)と親和銀行(長崎県佐世保市)による2020年の合併は、地銀再編の試金石として注目を集めた。合併によって誕生した十八親和銀行(長崎市)の山川信彦頭取が、当時の合併の背景や長崎の産業の将来について語った。
――地銀再編のなかで、合併して3年以上がたちました
長崎は、漁業、造船、観光など色々な産業が集積して恵まれていて、多くの銀行があっても、設備投資があり、人口もあり、預金も集まる。そのお金を貸し出しに回したり運用したりして、銀行も一定の収益を上げてこられました。
しかし、産業構造が変化するなかで、徐々に銀行のビジネスの機会が少なくなってきました。銀行として10年、20年後を見据えたときに、地元経済の発展がなければ、銀行の発展もないですし、我々の存在意義もなくなってしまいます。
もちろん合併は、全国の中でも難しい組み合わせだったと思いますが、地元経済を支えるため、金融機関として生き残るためという両面から合併という決断は不可避でした。
――地元の反応はどうでしたか
顧客に丁寧に説明して、おお…