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普段は詩吟も楽しむという橋貞夫さん=2024年10月、長崎県大村市、小川崇撮影
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■ナガサキノート 橋貞夫さん=1932年

 長崎市の中心部から北西に約14キロ。長崎県西彼杵郡の旧三重村(現長崎市)には、近くにきれいな海岸があり、子どもたちの遊び場だった。

 1945年8月9日。橋貞夫さん(92)は、近所の子どもたちと海水浴を楽しんでいた。浜から1キロほど離れた孤島にあがり、一休みしていたときだった。

 ピカッと熱い光が降り注いだ。しばらくして、大きな音が聞こえた。「ひどい音だったから、近くで爆弾が落ちたとは思いました」。ほぼ真っ裸だったが、一緒にいた子どもたちと必死に泳いで陸にあがり、林に逃げ込んだ。

安否確認のため長崎市へ、見渡す限り…

 空は、黒い雲が何層にも重な…

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