潜水調査を終えて戻った伊左治佳孝さん。坑口の木枠が見える=2024年10月30日午後3時32分、山口県宇部市、青瀬健撮影

 太平洋戦争中に水没事故が起きた長生炭鉱(山口県宇部市)に残る遺骨の収集をめざし、市民有志が今月末、潜水調査を再開する。戦後80年の今年、遺族の悲願をかなえようと意気込む市民側に対し、行政側は遺骨収集に及び腰だ。

 事故の発生は、1942年2月3日。宇部市沖の長生炭鉱の天井が崩れ、日本人と朝鮮半島出身者の計183人が死亡した。

 発生直後に坑道が閉じられ、風化した事故に脚光を当てたのが、市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」(刻む会)。昨年9月、当時の関係者らの証言をもとに坑道につながる坑口を発掘すると、水中探検家の伊左治佳孝さん(36)が潜水調査に着手した。

 昨年10月末の調査では、伊…

共有
Exit mobile version