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ハマボウフウの苗を植える児童ら=2024年9月19日午後2時41分、島根県出雲市西園町、中川史撮影
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 国引き神話にまつわる島根県出雲市の外園(そとぞの)海岸で19日、市立長浜小学校の児童らが、海浜植物でセリ科の多年草ハマボウフウの苗の定植をした。ハマボウフウの再生、保護の取り組みの一環だ。

 地元の長浜地区では50年以上前、砂の飛散対策で海岸にハマボウフウを植えた。だが、茎を「春の味覚」として天ぷらなどにして食べる文化もあり、来訪者に乱獲されるなどして激減。住民が保護活動をするとともに、出雲農林高が2010年から研究対象として、種子の採取から発芽、育成を経て自生地に植える活動をしてきた。

 この日は、長浜小5年の児童60人ほどが参加。同高植物バイオテクノロジー専攻の高校生7人の指導で約200株を砂浜に植えた。自身も同小出身で、かつて定植を経験した同高2年の安達美羽さんは「6年前はもっと少なかった。しっかり増えています」。児童に育苗ポッドから苗を取り出し、掘った砂地へ植える指導をしつつ「教えるのはたいへんだけど、楽しい」と話した。(中川史)

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