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沖縄の海で「ギンガメトルネード」を楽しむ山田圭介さん=本人提供

 ITエンジニアなどIT関連業務で、フリーランスという働き方を選ぶ人が増えています。リモートワークができるため、好きな場所に住み、プライベートも充実した生活につなげている人も少なくありません。その生活ぶりと、見えてきた課題を探ってみました。

 フリーランスのITエンジニア、尹(ゆん)舜真(すんじん)さん(29)は、日本の会社が提供するアプリの開発・運営チームの一員として働く。フルリモートの強みを生かし、いま生活しているのはオーストラリアだ。昨年12月からワーキングホリデーのビザを使って滞在する。

 フリーランスになったのは2年前。仕事の幅を広げるため、英語も身につけたいと考えた。昨年1月から半年間、英語がわかりやすいフィリピンで学んだ。その後、タイなどを経てオーストラリアに渡ってきたという。住む場所は民泊仲介サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」で探すが、筋トレが日課なので、ジムが近いことが条件だ。

 尹さんは、正社員としてキャリアを積んで管理的な仕事が増えるより、専門技術を深めたいという。現在のチームは7~8割がフリーランスだ。尹さんはあらかじめ会社と合意した業務を遂行する「準委任契約」で働く。

勉強が欠かせない理由とは

 IT人材紹介会社、レバテックによると、準委任契約は成果物を納めるのではなく、働いた時間に応じて報酬が支払われることが多い。同社では週5日稼働を前提に月140~180時間働いて70万円が標準的という。3カ月ごとに契約更新を判断されることが多いとされる。

 社員からフリーランスになると収入が増えるケースが多く、尹さんも「会社員時代の1・5倍ほどに増えた」という。ただ、仕事が評価されず契約が更新されない例も見ているので、新しい技術の情報を得るなど勉強は欠かせない。そうした情報もオンラインで得られるので海外でも不自由はないという。

 尹さんは「住む場所は自由なので、居心地しだいで住む国を変えていきたい。英語を身につけて好きな国で暮らしたい」と話す。

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名古屋市のシェアオフィスで仕事をする山田圭介さん。パソコンがあれば場所は選ばない=本人提供

 山田圭介さん(40)は2018年にフリーランスとして独立した。仕事はフルリモートが条件。拠点にしている沖縄で多くを過ごすためだ。

 沖縄のベンチャー企業で役員…

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