神社を訪れる際、どんな由来の神さまがまつられているのかを知ってお参りすると、その神社の成り立ちが分かり、境内に立って五感で感じたものがより深みを増す。
松尾(まつのお)大社(京都市西京区)の祭神は二柱(ふたはしら)。大山咋神(おおやまぐいのかみ)という松尾山の神霊と、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)という海上守護の神だ。だが、社殿の近くに海がないのに、なぜ、海の神さまがまつられているのだろうか。
京都市内を東西に走る四条通を中心部から西に向かい、桂川を渡った突き当たりに位置する。大鳥居を過ぎて楼門をくぐると、境内を横切る一ノ井川がある。このあたりは春先になると、3千株の黄色いヤマブキが咲き、参拝する人々を迎えてくれる。
701年、社殿を建てた渡来…