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浦和実―西武台 三回表、浦和実の工藤の適時二塁打で三島が生還=2024年9月29日午前10時42分、県営大宮、恒川隼撮影
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 秋季埼玉県高校野球大会(県高野連主催)は29日、県営大宮球場で決勝があり、浦和実が西武台を9―1で下して初優勝した。同校の県大会優勝は、春、夏を通じて初めて。両校は来春の選抜大会の出場校を選ぶ参考になる関東大会(神奈川県、10月26日開幕)に出場する。

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 浦和実の初優勝がかかった一戦でマウンドに立ったのは石戸颯汰(2年)だった。新チームになる前から、駒木根琉空(2年)との両左腕でチームをひっぱってきたエースだ。

 ただ、今夏の埼玉大会は4回戦の春日部共栄戦で制球を乱し、4四死球に連打も浴び3失点。「先輩の引退という重圧で気持ちを乱し、思うように投げられなかった」と悔いが残った。

 新チーム発足以降、投げ込みや体幹トレーニングなどをしながら得意の変化球を磨き続けた。秋は地区予選から先発として登板。気持ちも制球も乱さないと臨んだ準々決勝の浦和学院戦では、被安打2で完封した。

 西武台戦でも低めのコースを意識して投げ続けた。六回に1失点したときは、2試合続けて逆転勝ちしてきた西武台の怖さを思い出した。それでも「腕を大きく振る、制球を意識する」ことを考え続け、七回以降は安打を許さなかった。

 「初優勝できてうれしい」と試合後は喜びをみせつつ、「選抜大会を狙えるような結果を出したい」と関東大会への意気込みを語った。(恒川隼)

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