小型ロボット「LEV-2」が撮影した月面の様子。着陸した探査機「SLIM」の姿が見える。手前の両サイドに見えるのはロボットの車輪。小型ロボは着陸直前にSLIMから放出された©JAXA/タカラトミー/ソニーグループ(株)/同志社大学

 2024年1月20日、月面へのピンポイント着陸に成功したJAXA(宇宙航空研究開発機構)の無人機SLIM(小型月着陸実証機)について、3月13日掲載のこのコラムで紹介しました。

 SLIMは太陽光電池で動く仕組みなので、約2週間続く月の夜に活動を停止し、零下170度近くまで下がってしまう温度が原因で再び活動するのは難しいと考えられていました。しかし、3度の月の夜を無事に乗り越え、2月26日、3月27日、4月23日に再び活動を再開し、当初の予想を上回る成果を残しました。4月29日以降は応答がなく、その後も繰り返し通信を試みましたが、8月23日をもって月面での運用を終了しました。

 運用を終了する際、最後に「停波信号」を送りました。これはSLIMから電波がでないようにしておくための信号です。現代では数多くの通信機器が存在するため、それぞれが周波数を少しずつ変えて通信をおこなっており、その周波数の割り当てはとても貴重なものです。

 SLIMにも専用の周波数が…

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