スーダンの首都ハルツーム近郊のオムドゥルマンで2024年4月7日、国軍と準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)の戦闘による被害を受けた街=ロイター

 紛争が続くアフリカ北東部スーダンで、民間人への攻撃が激しさを増している。首都ハルツームに隣接する中部ジャジーラで5日、国軍と対立する準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)に住民が襲われ、少なくとも150人が死亡した。英BBCなどが報じた。

 スーダンでは昨年4月、国軍とRSFによる紛争が首都や西部ダルフールを中心に始まり、国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、今月7日までに民間人への攻撃は1400件にのぼり、1万5550人が犠牲になった。

 民間の監視団体「スーダン戦争モニター」によると、5日は早朝から軍用車両が押し寄せ、機関銃や対空砲による攻撃を受けた。同団体は同日、少なくとも50人の遺体が布にくるまれ、埋葬されるのを確認したという。

 ユニセフ(国連児童基金)は、この攻撃で少なくとも子ども35人が死亡し、20人以上が負傷したと報告した。声明では「スーダンの子どもたちがいかに残忍な暴力の代償を払っているかということを、改めて思い起こさせる悲惨なできごとだ」と訴えた。

 ダルフールでも、一帯を支配するRSFの戦闘員らによる住民の殺害が相次ぎ、国際機関などがジェノサイド(集団殺害)にあたると指摘している。「国境なき医師団」(MSF)によると、5月10日ごろから戦闘が激しくなり、同月末までの間に134人が死亡したという。

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