経団連が入るビル=東京・大手町、木村裕明撮影

 経団連は3日、来年度の税制改正に向けた提言をまとめた。とくに安倍晋三政権から続く法人税減税について、「国内投資の拡大、賃金引き上げの取り組みが着実に進展した」と評価した。ただ、与党の税制調査会は「成果に乏しい」と指摘。石破茂首相も総裁選で法人税を「上げる余地がある」と言及していた。年末にかけて議論の的になりそうだ。

 法人税の大幅減税は、アベノミクスの「第三の矢」として、2015~16年度の税制改正で決まった。前向きな投資や賃上げを促して「デフレ脱却」をめざすとした。

 だが、その効果について、与党の税調は疑問視していた。与党の税調がまとめた今年度の税制改正大綱では、法人税を下げたのに賃金水準は長く低迷し、海外投資に比べ国内投資も伸び悩んだと指摘。一方で、企業の内部留保は555兆円に積み上がったとし、「法人税改革は意図した成果を上げてこなかったと言わざるを得ない」と評価した。そのうえで、今後は税率の引き上げも視野に入れた検討が必要だとした。

 これに対し経団連は、ここ2…

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