粉飾した決算報告書を示して金融機関から融資金約4800万円をだまし取ったとして、大阪府警は9日、大阪市淀川区の経営コンサルタント、平井登容疑者(50)=詐欺罪で起訴=を詐欺容疑で再逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。
また、平井容疑者が代表を務めていた会社「エムエスジー」(同区、破産手続き中)と経営全般についてコンサルティング契約を結んでいた電気配線工事会社「ZERO」(同市西淀川区、破産手続き中)の元代表、阿部哲也容疑者(55)=さいたま市大宮区=を同容疑で逮捕した。
捜査関係者によると、2人は共謀して2020年6~12月、実際はZERO社が2億円以上の債務超過に陥っていたのに、1億円以上の資産超過などと良好な経営状況にあることを装った決算報告書を神戸市内の金融機関に提出し、融資金約4800万円をだまし取った疑いがある。
信用調査会社によると、ZERO社はその後、粉飾決算の疑いが浮上したことなどから金融機関での資金調達が困難になり、24年10月に大阪地裁で破産手続き開始決定を受けた。負債総額は約9億7千万円とされる。
平井容疑者は昨年12月、別の契約先企業の決算報告書も粉飾して銀行から約5千万円の融資を受けたとして、詐欺容疑で逮捕・起訴されていた。