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母の四川料理の店「香辣妹子」を手伝う王警誼(ワンチンイー)さん。「うちの料理はママの味。辛さも選べるよ」=東京都豊島区西池袋
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現場へ! 変貌する中華街④

 東京・池袋駅、JR山手線ホームから西口北改札への階段を下りると、耳に飛び込む言語が多国籍感を増してくる。

 英語やヒンディー語に交じり、圧倒的に多いのはテンポの速い中国語。改札を出れば豊島区西池袋の繁華街、本場の味を手加減せず伝える約120店が集まる「ガチ中華」の街だ。

 「軒は連ねず中華門もなく、雑居ビルなどに点在し、中華の街の趣はない。独自の自治組織も持たない。三大中華街とは全く別物です」

 そう説明するのは「東京ディープチャイナ研究会」主宰で編集制作会社フィールドワークス代表、中村正人さん(61)だ。

 「地球の歩き方」中国地区の編集に携わるなど中華の食に親しんできた。コロナ禍中の2020年、かつて中国・河南省の駅前で食べた平麺「そのままの味」に池袋で出会い、ガチ中華を追い始めたという。

雑居ビルの中の極彩色世界

 北改札を出て徒歩数分、雑居ビル4階でエレベーターを降りると極彩色の世界が広がる。同じフロアの中華食材店が管理する「友誼食府(ゆうぎしょくふ)」は19年に開業した台湾や香港の屋台街を思わせるフードコート。様々な郷土の味を伝える多彩な出店で、ガチ中華ブームの先駆けともいわれる店だ。

 上海料理「大滬邨(ダウツン…

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