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NHK放送センター=東京都渋谷区

 NHKは、地上波の中継局を同局と民放各社が共同で利用するための子会社を設立する。そのために出資することをNHK経営委員会が3日、議決した。中継局の共同利用会社をつくることで、地方局のインフラ面の費用負担を軽減し、経営の効率化を図る。

 NHKによると、総務相の諮問機関である電波監理審議会の答申や総務相の認可を得て、今月中に子会社を設立する想定という。NHKが1億円をまず出資し、今後、民放各社からも出資を受ける。設備の更新時期にあたる2025年末をめどに事業を本格化させるという。

 中継局の共同利用は小規模局とミニサテライト局から始める。総務省の有識者会議では放送波が届きにくい地域では、インターネットで放送番組を届ける法改正の議論をしていることから、その状況を踏まえて共同利用の範囲を決めていくという。

 NHKの古賀信行経営委員長はこの日、報道陣の取材に「現状では地方含めて放送局が各自で(中継局の保守・管理などを)やっていくのは非常に困難な時代で、NHKも単独ですべて維持していくのは難しい」と言及。「健全な(メディアの)多元化を維持していくのにも有用だろうし、NHKも含めた放送全体の礎になってくれたら」と述べた。

 中継局の共同利用は、民放各…

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