今夏のパリ五輪で新競技に採用されたブレイキン(ブレイクダンス)の小中学生全国大会で、大分県中津市の大幡小6年生、徳永美心(みみ)さん(11)が女子小学生高学年部門で優勝した。「夢がかなってむちゃくちゃうれしかった」という美心さんの次の目標は、世界で活躍する選手だ。
ブレイキンは1970年代に米国のニューヨークで生まれたとされる。踊りはトップロック(ステップ)、フットワーク(足技)、パワームーブ(回転)、フリーズ(静止)の四つの要素からなり、競技では1対1で交互に踊り、踊り方や身体能力、自分らしさが採点される。
大会は3月30日に大阪市で開かれた「ジャパン ブレイキン カップ2023」。予選を勝ち抜いた子どもたちが6部門で競い合った。美心さんは小4だった昨年3月の大会は、女子高学年部門でベスト8に終わった。今年はその悔しさをばねに、自分で考えたフットワーク中心の大技「ミミルサオン」を決めるなどして初優勝を飾った。
美心さんは小2のときに友だちの影響でブレイキンを始め、市内のブレイクダンス専門スクールで毎日3時間ほど練習している。練習の前後にも、指導する徳岡亮介さん(36)に自宅で撮影した動画を送ってきて「どうですか」と聞いてくるという。母親の智美さん(42)は「もう練習しなくていいよ、と言ってもやめないんです」。
美心さんはブレイキンの楽しさを「大技を決めて、歓声をもらうのがうれしい」と話す。
4月22日には中津市役所を訪れて、優勝を報告。音楽に合わせてブリッジや倒立を交えた華麗な技も披露し、奥塚正典市長らから大きな拍手を浴びた。
同席した徳岡さんは、美心さんの踊りを「運動神経が良く、自分で体の使い方がわかっているので無駄な動きがない」と説明。8年後にオーストラリアのブリスベンである五輪を目標に指導を続けたいと話した。
美心さんも「オリンピックに出るという夢を持ちたい。そのためにもっともっと練習します」と笑顔を弾ませた。(ライター・大畠正吾)