写真・図版
第83期将棋名人戦・C級2組順位戦2回戦の本田奎六段(手前右)と牧野光則六段(手前左)の持将棋指し直し局の終局後の様子。向こう側では、宮嶋健太四段(奥の右)と狩山幹生四段(奥の左)の持将棋指し直し局が続いていた=2024年7月19日午前2時40分、大阪市福島区の関西将棋会館、佐藤圭司撮影

杉本昌隆八段の棋道愛楽

 7月17日、約3カ月ぶりに関西の将棋会館で対局をしました。今年度は順位戦の名古屋対局しかなく、遠征も久しぶりでした。

 対局は朝日杯将棋オープン戦で相手は若手の高田明浩五段。熱戦でしたが最終盤で競り負け。今期の初黒星(と言っても3局目ですが)はちょっと残念でした。

 全国的に暑い日が続き、40度に迫る日もあるほど。猛烈な暑さは仕事効率を著しく下げます。移動だけでも汗だくになるほどで、部屋の中に入ってもしばしのクールダウンの時間は欠かせません。

 こんな時期の対局は棋士も粘りを欠いて短時間で終わってしまう? いえいえそんなことはありません。先週の公式戦では何と一日に3局の持将棋が発生したのです。

 持将棋とは、双方の玉が相手…

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