死刑囚から国内で初めて再審無罪になった免田栄さん(1925~2020)の蔵書が熊本大学文書館で保管されることになった。逮捕から34年続いた獄中生活で読んだ本が多く、その数、約1千冊。文書館は詳しい目録を作成し、一般に公開する。
熊本日日新聞やRKK熊本放送の元記者で、文書館の市民研究員として免田事件の資料の収集・調査を続けている高峰武(72)、甲斐壮一(66)、牧口敏孝(73)の3氏が25日、記者会見して明らかにした。
「免田栄文庫」と名付けられた蔵書は、まず免田さんの支援者が園長を務めていた熊本市の社会福祉法人「慈愛園」で保管された。福岡県大牟田市に移り住んだ免田さんと交流があった高校教諭が2001年に引き取った。これまで市内の小浜集会所で手にとって読める状態になっていた。
免田さんは生前、高峰さんら3人に「散逸を防いで活用して欲しい」と伝えており、免田事件の資料を収集してきた熊大文書館が受け入れることになった。今も大牟田に住む妻の玉枝さん(88)が熊大に寄贈し、今月、大牟田から移された。
資料の収集と調査にあたった…