ニュースケールパワーが開発する小型モジュール炉(SMR)のイメージ図=米エネルギー省のウェブサイトから
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 小型モジュール炉(SMR)など次世代炉で使うことが期待されている核燃料「高純度低濃縮ウラン」(HALEU)は、濃縮せず核兵器を製造できるため、国際的な核不拡散の体制を脅かす――。米国の科学者らがこう指摘する論文が6日、米科学誌サイエンス(https://www.science.org/doi/10.1126/science.ado8693別ウインドウで開きます)に掲載された。

 従来の原発の核燃料は、核分裂を起こす「ウラン235」の濃縮度が3~5%だが、HALEU燃料は10~20%と高い。SMRなどの次世代炉にはHALEUが必要とされ、欧米で製造体制づくりが進んでいる。

 米国では、米政府から約1億5千万ドル(約230億円)の補助を受けた企業が昨年からHALEU燃料の製造を開始。英政府は今年5月、製造体制を整備するため、核燃料製造企業に1億9600万ポンド(約390億円)の資金を提供すると発表した。

 一方、米マサチューセッツ工…

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