小林製薬の旧大阪工場で検出された「プベルル酸」をつくる青カビ。健康被害の原因究明については現在進められている=大阪健康安全基盤研究所提供
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 小林製薬(大阪市)の「紅麹(こうじ)」サプリメントを巡る問題で、政府は機能性表示食品制度に関する見直し策を5月末にまとめた。健康被害情報の提供の義務づけなどで安全性を高めるとしているが、市民団体などからは、審査なく販売できるという制度そのものの抜本的見直しを求める声があがっている。

 見直し策のポイントは、届け出事業者に寄せられた健康被害情報の行政側への提供やサプリメント状の場合は適正製造規範(GMP)に基づいた管理を、法令で義務化することだ。

 3月末に健康被害が急速に拡大し早急な対応を迫られた政府は、約2カ月で制度の見直し策をまとめるよう消費者庁と厚生労働省に指示。両省庁は健康被害の訴えがあったときの対応と、製造工程の安全性に関するものに見直しの焦点を絞った。

 5月31日、政府の見直し策がまとまった後の会見で、消費者庁の担当者は「今の届け出の仕組みを大きく抜本的に変えようということではない」と話した。

■科学的根拠が低レベルでも……

共有