拉致被害者横田めぐみさんの60歳の誕生日を前に記者会見し、めぐみさんが小学生のころ買ってきたおみやげについて説明する母の早紀江さん=2024年10月3日午後1時41分、川崎市川崎区、北野隆一撮影

 北朝鮮に拉致された横田めぐみさんが5日で60歳となるのを前に、母・早紀江さん(88)が3日、記者会見した。早紀江さんは、思い出の品を手に「めぐみちゃんが元気だと思うようにしなければ動けない。最後まで元気で生きていてください」と声を振り絞った。

  • 【ルポ】「よこ」 隣で呼べた日々
  • 【連載】「もう一度家族写真を」 滋さんの願い、重ねた写真展

 新潟市の中学1年生だっためぐみさんは1977年11月、学校から帰る途中で拉致された。それから今年で47年になるが、帰国を果たせないまま60歳となる。

 早紀江さんは会見で「本当にむなしい。そういう思いを47年間も持ちつづけなきゃならなかった人生とはなんだったのだろう」と打ち明けた。ともにめぐみさんの帰国を訴えてきた夫の滋さんは2020年、87歳で亡くなった。北朝鮮が再調査を約束した「ストックホルム合意」から今年で10年になるが、日朝間の交渉も停滞したままだ。「現実とは思えないような思い」とも吐露した上で、「でも倒れちゃったら助けてあげられない」と言い聞かせるように語った。

横田めぐみさん1歳の誕生日に、母早紀江さんと=1965年10月5日、名古屋市の自宅、横田滋さん撮影
横田早紀江さんが記者会見に持参した写真やゆかりの品。右は早紀江さんの着物を着て自宅前に立つめぐみさんと、中学入学時の制服姿の写真で、早紀江さんの寝室に置かれている。左は北朝鮮から日本政府に渡された写真で、居間に置いている。手前の壺の小物は、広島市の小学校から山口県萩市に旅行したとき早紀江さんに買ってきたおみやげだという=2024年10月3日午後1時11分、川崎市川崎区の自宅マンション、北野隆一撮影

 会見には、めぐみさんとの思…

共有
Exit mobile version