記者会見に臨む日銀の植田和男総裁=2024年9月20日午後、東京都中央区、柴田悠貴撮影

 日本銀行が金融政策を維持して政策金利を0・25%程度に据え置いたことを受け、植田和男総裁は20日の記者会見で「金融市場は引き続き不安定な状況。当面高い緊張感を持って注視し、影響を見極める必要がある」と話した。一方で植田氏は、「日本経済は我々の見通し通りに動いてきている」とし、今後も経済や物価が想定通りならば追加利上げする方針を改めて示した。

 日銀は前回7月の金融政策決定会合で政策金利の0.15%幅の追加利上げを決めた。利上げ後、米国の景気後退懸念が強まるなどして為替市場では急速に円高が進み、8月5日に東京株式市場で日経平均株価が過去最大の下落幅を記録。日銀幹部は、金融市場が不安定な状況で追加利上げはしないとの考えを表明していた。

 植田氏は、米国をはじめとする世界経済の先行き不透明感が金融市場動向の背景にあるとの見方を示し、「丁寧に分析し、我々の見通しに対する影響を確認していきたい」と説明。米国経済の今後については、「ソフトランディング(軟着陸)に近い姿が実現するのか、もう少し厳しくなるのか、丁寧に見極めたい」と述べた。

 7月会合では追加利上げの理…

共有
Exit mobile version