日本銀行が金融政策を維持したことを受け、植田和男総裁は31日の記者会見で「米国をはじめとする海外経済や金融資本市場の動向を十分注視する」とし、経済と物価への影響を見極める考えを示した。追加利上げを巡って繰り返してきた「時間的余裕がある」との発言はしなかった。金融市場が落ち着いてきたことなどが理由だという。
市場では、来月上旬に大統領選の投開票を控える米国経済の動向を見極めるため、日銀は政策金利を据え置くとの見方が多かった。植田氏が「時間的余裕がある」と繰り返し発言してきたことも、市場の見方を補強していた。
それだけに市場の注目は、植田氏の発言がどのように変わるかに集まっていた。
植田氏は発言の経緯について…