梨泰院のバー店主、パク・ジウンさん。店内は赤いネオンに照らされている=2024年1月17日、ソウル・梨泰院、河野光汰撮影

@ソウル

 「見ての通りさ」。2022年10月に150人以上が亡くなる雑踏事故が起きたソウルの繁華街・梨泰院(イテウォン)。事故直後に訪れたバーを1月に再訪すると、店主のパク・ジウンさん(62)がソファに沈み込んだまま自虐的に言った。

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 事故の約10日後、近くの路地裏で唯一営業していたバーでひとり、たばこを吸っていた女性がパクさんだった。客足は途絶えたが、「来るかもしれない」との一筋の望みで営業を続けていると話した。だが、事故から1年が過ぎても状況に変化はない。客が来たときに出すというキムチチゲを煮込むぐつぐつという音が空しく響く。

 だが、パクさんには仲間がで…

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