「ヤマトタケル」に出演する(左から)中村壱太郎さん、市川團子さん=松竹提供
  • 写真・図版

 日本神話の伝説を舞台化したスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」が5月6日から御園座(名古屋市中区)で開幕する。哲学者・梅原猛さんが原作を書き下ろし、昨年9月に死去した市川猿翁さん(3代目猿之助)が脚本にし、1986年に初演された。

 主演のヤマトタケルを猿翁さんの孫、市川團子(だんこ)さん(20)、名古屋での公演から兄橘姫(えたちばなひめ)と弟橘姫(おたちばなひめ)の2役に中村壱太郎(かずたろう)さん(33)が務める。「中・高・大学生にこの作品を見て欲しい」という壱太郎さんに、ヤマトタケルへの思いを聞いた。

 ――壱太郎さんは、「ヤマトタケル」のようなスーパー歌舞伎に初出演です。どんな方々に楽しんでほしいですか。

 「歌舞伎をやっています」と言って、「歌舞伎を見に行こう」となるのは難しいことです。なので、見てもらうターゲット層を絞るのが大事だと思っています。「ヤマトタケル」を誰に見てほしいかとなったときに、テーマがぎゅっと詰まっているので、もちろん色々な人にも見ていただきたいですが、見たとき何かを考えてもらえる中・高・大学生に見てもらいたいと思いました。

 ――この歌舞伎を学生に絞るのはなぜですか。

 ちょっと難しいかもしれませんが、作品を見て一緒に考えることができる、というのが、ヤマトタケルとして意義があることだと思っています。

 中学生は自分で行動、選択を…

共有
Exit mobile version