次世代のエネルギーとされる核融合について、高市早苗・科学技術担当相は19日の閣議後会見で、国として2030年代の発電実証をめざす方針を明らかにした。「50年ごろ」としてきた従来方針から大幅な前倒しとなる。国家戦略を改訂し、工程や安全規制のあり方も含めて見直す。
30年代の実証を掲げる民間企業もあり、国も目標として明確にした。
核融合は太陽の内部と似た反応で原子核の融合を起こす。実現すれば、燃料1グラムで石油8トンを燃やしたのと同等のエネルギーが得られることから、米IT大手が相次いで投資するなど国際競争が激化している。米国も6月に国家戦略をまとめた。
高市氏は「各国が技術や人材の囲い込みを強めている。日本も負けるわけにはいかない。長年培ってきた技術や人材の強みがある」と述べた。
一方で、実現への道のりは険しい。日本も参加する国際熱核融合実験炉ITER(イーター)計画は、当初18年としていた実験開始の延期が繰り返されている。今月3日にはさらに9年延びて34年にずれこむ見通しが発表された。
ITERの成果を踏まえて国…