世界で戦争や軍事衝突が続き、核の脅威が高まる中、「被爆80年 核兵器をなくす国際市民フォーラム」が来年2月8日と9日、東京・広尾の聖心女子大学で開かれる。被爆80年の幕開けに核兵器廃絶を「私たち全員」の緊急の課題として考えるため、幅広く集まれる場をつくる。オンライン配信もある。
主催は一般社団法人「核兵器をなくす日本キャンペーン」。事務局の浅野英男さん(27)は10月15日、広島市内で記者会見し、「被爆者と若い世代が手を取り合って、戦争も核兵器もない世界をめざす大きな運動の出発点としたい」と述べた。フォーラムでは、来年3月に米国・ニューヨークの国連本部で開かれる核兵器禁止条約第3回締約国会議への提言をまとめ、提出すると説明した。
キャンペーンの広島コーディネーターを務める「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)共同代表の田中美穂さん(30)は「核兵器の問題で自分にも何かできることがある、と思える人が増えるようなプログラムを作っていきたい」と話した。
理事を務めるNPO法人「ANT―Hiroshima」理事長の渡部朋子さん(70)は「大きな力で国や世界を動かす取り組みをしていかなければならない時が来ている。日本被団協のノーベル平和賞受賞決定はその表れ」と指摘し、「子ども連れで参加できるような、様々な世代の力を結集したものにしたい」と語った。
会見にオンライン参加した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の川崎哲・国際運営委員は「政府や国会議員にきちんと議論してもらうため東京で開催する」と強調。「核兵器が本当に使われてしまう恐れがある。被爆者だけでなく、若い世代と一緒に私たち全員で(フォーラムを)作っていきたい」と述べた。
初日はパネル討論など全体会、2日目はテーマ別分科会などを予定。持ち込み企画やボランティアも募集している。チケット代や支援金、団体協賛金などを募って運営する。問い合わせは同キャンペーン([email protected]、050・6883・9419)へ。(編集委員・副島英樹)