全国原子力発電所所在市町村協議会の総会で玄海町議会の上田利治議長(右)と話す脇山伸太郎町長(中央)=2024年5月22日午後1時52分、東京都千代田区、添田樹紀撮影
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 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場をめぐり、国の選定プロセスの1段階目にあたる「文献調査」が、九州電力玄海原発がある佐賀県玄海町で近く始まる。原発の立地自治体で初めてだ。調査に否定的だった脇山伸太郎町長(67)が一転、受け入れを決めた背景に何があったのか。

 5月1日夜、脇山氏は、自宅の「趣味の部屋」にいた。壁一面に約20本のエレキギターが並ぶ。

 1本だけスタンドに立てかけられているのは、米フェンダー社製「ストラトキャスター」。世界的ギタリストのジミ・ヘンドリックスも使ったという。1960年代後半のモデルだ。

 お気に入りの一本を手に取る。ソファに腰掛け、足を組む。

 弾き始めたのは、英ハードロックバンド「ディープ・パープル」の代表曲「ハイウェイ・スター」と「スモーク・オン・ザ・ウォーター」だ。

 学生時代はバンドマンだった。弾くのは久しぶりだが、指が覚えている。音をひずませるように。右指のピックが高速で弦をかき鳴らす。

 無心でギターを弾くと悩みが吹っ飛ぶ。「嫌なことを忘れたかった」

目指す「原発だけじゃない町」 否定し続けた文献調査

 5日前の4月26日、町議会…

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