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子どもと、しりとりのカードゲームを楽しむ支援員の久保友里さん=2024年11月6日午前10時41分、茨城県つくば市学園の森2丁目、鹿野幹男撮影
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 教室に行けない児童や生徒が専任の職員に見守られて校内で過ごす「校内フリースクール」が茨城県内の小中学校と義務教育学校に広がっている。費用がかからず、学校とのつながりも維持できるため、保護者の期待や設置を求める声が根強い。

 鉛筆で絵を描くのも良し、先生と雑談しながらカードゲームに興じるのも良し、パソコンで動画を眺めてもOK。つくば市立学園の森義務教育学校の校内フリースクールで、子どもたちは思い思いの時間を過ごす。

 市教育委員会は2年前から段階的に不登校の児童・生徒の受け皿として小中学校への導入を図り、今年度、市内小・中・義務教育全50校に校内フリースクールを設置した。費用は総額約3億円。教員免許を持つ専任の職員を支援員として各校に配置する。働く保護者にとっては、民間のフリースクールと違って費用や送迎の手間がかからず、自宅で一人きりにする不安を解消できる利点がある。

勉強以外でも「一日の目標を立てよう」

 休み時間に級友が様子を見に来ることもある。給食を食べる場所は校内フリースクールでも、在籍する教室でも構わない。運動会など出席したい行事には参加できる。小学生と中学生が通う学園の森では、約30人が利用している。市教委は「目的は子どもにとっての居場所づくり。教室に戻すことを目標にしていない」と説明する。

 子どもの自主性に委ねる部分が大きい分、教える側は手探りが続く。学園の森で支援員を務める久保友里さん(25)は、「何となく時間を過ごしてしまわないよう、まずは勉強以外で良いので一日の目標を立てるよう指導しています」。

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