20年ぶりの「春」の知らせ――。3月18日に開幕する第97回選抜高校野球大会の選考委員会が24日開かれ、柳ケ浦(宇佐市)が2005年以来3回目の甲子園の切符をつかんだ。野球部員らは吉報に喜びを爆発させた。
部員らは学校から約3キロ離れた野球場で、いつも通りの練習をこなしながら知らせを待った。
午後4時20分ごろ、選考委員会の連絡を受けた小幡克己校長がグラウンドに向かう。守備や打撃練習をしていた部員らが三塁ベンチ前に集まると、小幡校長は「たった今、日本高野連から第97回選抜高等学校野球大会の九州地区の代表に柳ケ浦高校が決定した。おめでとう」と告げた。部員らは緊張した面持ちのままだ。小幡校長が「堂々とした戦いのできる姿を見せていただきたい。甲子園出場、本当におめでとう」と続けると、部員らの表情が徐々に緩んだ。
田原光太郎主将(2年)は「うれしい気持ちと、甲子園でプレーできるわくわくの気持ちがある」。「自分たちは『じゃがいも軍団』。粘り強く泥臭いプレーで見ている人を感動させるような試合をしていきたい」と抱負を語った。真子陽登捕手(2年)は、秋の県大会後の練習試合で左手を骨折し、九州大会では出場することができなかった。もどかしい気持ちの中、ベンチからチームを支えた。甲子園出場を受け、「素直にうれしかった。全員で勝って自信をつけ、夏に向け学びたい」と意気込んだ。
鈴木聡監督は就任3年目。「挑戦者として少ない失点でしのいで最後まで粘り強く戦いたい」と話した。チームについて、「秋からの新チームを田原主将がまとめてくれた」と目を細めた。
取材が終わった午後5時過ぎ、部員らは練習を再開した。その姿に浮かれた様子はなかった。