新潟県阿賀町の町立中学の生徒がいじめを受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったとの申し出があり、調査をしていた同町の第三者委員会が報告書を公表した。同委は、生徒が2年間で計6回のいじめを受けていたと認定。学校の対応については「調査が十分に行われていなかった」と指摘した。
生徒の保護者が2021年11月に、いじめ重大事案として取り扱うよう同町教育委員会に申し出て、第三者委が調査を開始。10月31日に報告書を公開した。
報告書は、生徒が2年生だった21年1月に上級生に柔道の大外刈りをかけられて鎖骨を骨折したことや、3年生だった21年5月に同級生から胸ぐらをつかまれたこと、部活動中に他の部員から「キモい、キショい」と言われたことなど、2年時と3年時に計6回のいじめがあったと認定した。
また、学校の対応については「当事者、関係者への調査が十分に行われていなかった」「本人や保護者が訴え出るようになってきたところで真摯(しんし)な対応を取れなかった」などと指摘。町教委についても、学校との情報の連携が十分ではなく、被害者や保護者とのコミュニケーションも不足していた、とした。
同町教委によると、生徒は認定されたいじめがあった時期に学校を休みがちになり、町内の診療所でPTSDと診断された。いまは高校に在学しているという。同町教委は「報告書を真摯に受け止め、再発防止に取り組んでいく」としている。