柏木由紀さん(32)が30日、AKB48を卒業する。東京・秋葉原の劇場で開かれる卒業公演を前に、率直な思いを語った。
ステージの床に書かれた「0」という数字は、グループの顔であるセンターポジションを示す。1人で立つのは、歌唱メンバーに選抜されたシングル52作目にして初めて。「続けた先にいいことはあるんだなって実感しました」
在籍17年超は、女性アイドルグループのメンバーとして異例の長さだ。後輩が次々と巣立っていく中、ステージに立ち続けた理由は「アイドル以上に楽しいと思えることがなかったから」。
原点は少女時代にあった。25年前、地元・鹿児島県で開催された「モーニング娘。」のコンサート。ステージで懸命に踊るアイドルが輝いて見え、元気がわいた。以来、コンサートに行くために部活をやめてしまうほど夢中になった。
中3だった2006年12月、まだ知名度の低かったAKB48のオーディションに合格し、上京。どんなに後ろの列で目立たなくても元気いっぱいに踊り、笑顔をふりまくことに全力を注いだ。いつでも元気で明るい存在、という理想のアイドル像を体現し続けた。
国民的アイドルへ駆け上がったグループの人気を支え、30歳を過ぎた。その功績から「結婚や出産をしてもAKB48で」という声も上がったが、「すべてのファンに受け入れられる選択ではない」と考えた。人生の半分以上の期間を過ごしたAKB48を離れても、「アイドルとして求められるかぎりは」とステージに立ち続ける。(小松隆次郎)
柏木由紀さんとの主なやりとり
柏木由紀さんがインタビューで語った主な内容は次の通り。
――17年以上活動したAKB48からの卒業を決意した理由は。
特別なきっかけや、嫌になる…