新潟県柏崎市長選は17日投開票され、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に「条件付き容認」を掲げる無所属現職の桜井雅浩氏(62)が「反対」を訴えた阿部由美子氏(62)ら無所属新顔2人を破って3回目の当選を果たした。投票率は53・70%(前回62・80%)だった。
桜井氏は2期目の任期中、再稼働に向けて国と東電に対し、それぞれ避難道路の整備と、将来の廃炉に向けた道筋などを示すよう要請。いずれも満足のいく回答が得られたとして、再稼働に同意する方針を示した。選挙戦では、原発と併せて、太陽光発電や大型蓄電池の設置に力を入れる考えも強調し、「脱炭素エネルギーの供給拠点を目指す」と語った。
また市政の最大の課題は、経営難に直面するJA新潟厚生連の柏崎総合医療センターの存続問題だとして、「柏崎の救急医療を担う医療センターを必ず守る」と訴えた。
自民党の国会議員や県議を始め、定数22の市議会議員のうち17人から支援を受けた。連日、地域別に個人演説会を重ね、着実に支持を広げた。
阿部氏は「無投票にしない」として、告示4日前の6日に立候補を表明した。選挙期間中、1回だけ開いた個人演説会では「市長として再稼働に同意しない」と明言し、医療や福祉の問題についても「渦中にいる一人ひとりと解決策を考える」と述べた。しかし、準備期間が短く、政策をまとめたビラは作成されなかった。街頭演説を中心とした選挙運動も十分な浸透には至らず、桜井氏に及ばなかった。
野本祐二氏(58)は選挙公報に主張を掲載したが、支持は広がらなかった。(戸松康雄)
当 27,587 桜井 雅浩 62 無現③
6,931 阿部 由美子 62 無新
432 野本 祐二 58 無新
(確定得票)