全国の22%にあたる554万ヘクタールの森林面積をもつ北海道。昭和30年代に植えられたトドマツやカラマツの人工林はいま伐採期を迎えているが、林業従事者の3割強は60歳超で、後継者不足から持続可能性が懸念されている。若者に林業に興味を持ってもらおうと、北海道が9月から高校生向けの出前授業を始める。キーワードは「イマーシブ(没入)」だ。

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林業体験VRの映像=フォレストデジタル提供

 道が連携するフォレストデジタルは、ヤフーやメルペイで要職を歴任した辻木勇二氏(現CEO)が2019年に浦幌町で創業したIT企業。東京出身の辻木氏が道内で創業したのはボランティアで同町を訪れたのがきっかけだった。「美しい森林に包まれた時の幸せな気持ちをITで人々に届けたい」。そこで開発したのが、室内の四面の壁や天井に映像を投影したり、音や風、においを流したりして「没入空間」を作り出す空間VR(仮想現実)システム「uralaa(うらら)」だ。

 このサービスは企業や自治体…

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