昨年の全日本吹奏楽コンクールで演奏する松陽高吹奏楽部=2023年10月22日、名古屋市の名古屋国際会議場

 県内屈指の吹奏楽の実力校、鹿児島県立松陽高吹奏楽部が6月1日、鹿児島市内でチャリティーコンサートを開く。ロシアがウクライナに侵攻した年に始め、今年で3回目。同じく実力校の玉名女子高(熊本県)と合同で開き、今回はウクライナとパレスチナ自治区ガザの支援のため、県ユニセフ協会を通じて収入を寄付する。

 このコンサートは、ウクライナ侵攻が始まった2022年2月に松陽高がちょうど練習していた楽曲「ピース、ピースと鳥たちは歌う」がきっかけ。ファシズム政権に抵抗したスペイン出身の音楽家パブロ・カザルスが、国連でチェロを弾いて平和を訴えた1971年の演説に着想を得て、「21世紀こそは平和であるように」と作られた曲だった。

 背景を知った当時の部員らが「戦争の悲惨さや平和の大切さを言葉で説明するのは難しい。でも、音楽なら伝わるものがあるのでは」との思いで、チャリティーコンサートを企画。全日本吹奏楽コンクールの常連校同士でつながりのあった玉名女子高の協力も得て、初回はウクライナ支援のために必要経費を除く入場料全額を寄付に充てた。昨年は、トルコ・シリア大地震の被災地支援に使ってもらった。

 今年の演奏曲目は、夏のコンクールの課題曲、自由曲のほか、ポップス曲のメドレーなど。4月に発生した台湾東部沖地震の復興を祈って作られたという最新の楽曲も取り上げる。

 鹿児島市与次郎2丁目の川商ホールで午後4時開演。チケットは全席指定で2千円(当日券あり)。同ホールで購入できる。ロビーでは、ウクライナやガザのパネル展、募金活動もある。問い合わせは県ユニセフ協会(099・226・3492)へ。(加治隼人)

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