取れたての宍道湖のシジミ=2024年6月13日午後1時10分、松江市袖師町、堀田浩一撮影
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 総務省の家計調査で、松江市の1世帯当たりのシジミの支出額と購入数量が、現在の集計方法になって以降、13年連続で全国1位となった。漁獲量日本一を誇る宍道湖を抱える松江市で、シジミを食べる食文化が根付いていることを示した。

 家計調査は、全国約8800世帯を対象に毎月行い、1世帯当たりの品目別年間支出額と購入数量も調べている。都道府県庁所在地と政令指定都市の52市について、2021~23年の平均値が今年2月に公表され、島根県がこのほど松江市の上位品目をまとめた。

 2人以上の1世帯当たりのシジミの年間支出額は1624円で全国平均の5.3倍。購入数量は1697グラムで全国平均の9.1倍に上った。背景について、松江市水産振興課の担当者は「宍道湖を抱え、年間を通じて身近に手に入る魚介類。それぞれの家庭で6~7月の土用シジミ、冬場の寒シジミといった旬を楽しむ文化もある」と話す。

 このほか、「さば」が支出額で全国3位、購入数量で全国1位。「あじ」が支出額、購入数量ともに全国3位。

 そのほかの支出額では、小豆や大豆などの「豆類」が全国1位、「牛乳」「キャベツ」「ドレッシング」などが全国3位に入った。

 また、食品以外では水道光熱費の高さが目立った。上下水道代は年間8万2268円で、山形市、長野市に次いで全国3位。電気代も年間18万8749円で、福井市、富山市に次いで全国3位だった。(堀田浩一)

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 宍道湖(島根県)のシジミが旬を迎えている。シジミは通年取れるが、6、7月は産卵期にあたり、身が大きく、ぷりぷりした食感が楽しめる。鉄分などが豊富で夏バテ予防の「土用シジミ」としても重宝されている。

 宍道湖のシジミ漁は月、火、木、金の週4日操業。松江市袖師町にある宍道湖漁業協同組合の直売所には、朝取れたばかりのシジミが入荷してくる。渡部和夫組合長(71)は「身ぶりがいいので酒蒸しやバターソテーがおすすめです」。(堀田浩一)

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