2024年1年間に東京証券取引所で上場廃止となった企業は94社となり、東証と大阪証券取引所が2013年に経営統合して以降、最多となった。企業価値の向上などを求めて上場を廃止する動きも相次ぎ、東証の上場企業数は初の減少に転じた。日本の株価が勢いを取り戻すためにも、上場企業は「量より質」を問われることになる。
- 大納会の東証、年末では最高値の3万9894円 35年ぶり更新
東京証券取引所で30日あった大納会で、山道裕己・日本取引所グループ(JPX)最高経営責任者(CEO)はあいさつの中で、1989年のバブル後最高値を更新した今年の株式市場を「夏場には一時的に急落する場面もあったが、1年を通じ大きな上昇を遂げた」と総括した。ただ、東証元職員によるインサイダー事件が影を落とした。大納会でおなじみの有名人ゲストは自粛となり、1年の締めくくりに鐘を打つイベントも取りやめになった。山道CEOは「再発防止と信頼回復に全力で取り組んでいく」と語った。
東証に上場する企業は24年末で3842社。前年より1社減った。JPXの発足で東証と大証が統合した13年以降減少するのは初めてだ。
背景には非上場化を選んだり…