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選抜大会への出場が決まり、山口聖夏(左)、矢吹太寛両主将を胴上げして喜ぶ東海大札幌の選手たち=2025年1月24日午後3時58分、札幌市南区南沢5条1丁目、松本英仁撮影
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 第97回選抜高校野球大会(3月18日開幕、阪神甲子園球場)の出場校が24日発表され、北海道代表に昨秋の全道大会を制した東海大札幌が選ばれた。出場は東海大四時代、準優勝だった2015年以来、10年ぶり7回目。全道大会8強で3回目の21世紀枠候補校だった釧路江南は選ばれなかった。組み合わせ抽選会は3月7日に開かれる。

 10年ぶり選抜出場の吉報を受けた東海大札幌の山口聖夏主将(2年)は「最終目標である夏の選手権大会優勝に向け、その日本一を春に達成して勢いをつけたい。甲子園で十分に力を発揮して日本一を取ってくる」と力強く宣言した。

 校名が東海大札幌となって初の出場で、今年度は創立60年の節目でもある。その指揮を執った大脇英徳前監督(49)が昨秋勇退、後任の遠藤愛義(なるよし)監督(40)は初采配で秋の全道大会の頂点に導いた。

 秋季大会優勝チームで争われる明治神宮野球大会でも、大垣日大(岐阜)を破って8強に進出した。遠藤監督は、東海大相模(神奈川)のコーチ時代に選抜大会優勝を経験した。

 遠藤監督は「皆さんの思いやいろんな節目が重なっての出場。日本一を勝ち取ってきたい」と意気込んだ。

 遠藤監督の方針で、チームにはもうひとり主将がいる。左腕の矢吹太寛投手(2年)だ。右腕高橋英汰投手(同)とダブルエースとして投手陣を引っ張る。矢吹選手は「分かっていても打たれない直球に磨きをかけ、自己最速150キロをめざす。今からワクワクしている」と腕をさすった。対戦してみたい相手として、神宮大会で敗れた広島商、同大会優勝の横浜や東洋大姫路を挙げた。

 高橋、矢吹両投手とも完投能力はあるものの、道内の強豪を相手に継投で接戦を勝ち上がった。失策が少ない堅実な守備と、好機に強い打撃で躍進を支えた双子の太田勝心、勝馬兄弟(同)ら勝負どころで長打が生まれるそつのない得点能力が特長だ。

釧路江南は3回目の21世紀枠候補も選ばれず

 北海道釧路江南の部員たち22人は、視聴覚室に集まり、出場校発表のインターネット中継を見守った。午後3時半すぎ、最初に読み上げられた21世紀枠の2校に入っていないことが知らされ、選手たちは肩を落とした。

 北海道地区候補校の選出は2006、07年以来。3回目の挑戦もならなかった。楓川卓也監督(50)は「残念ながら出場ならなかったが、この1カ月間、甲子園を身近に感じられた。きょうの思いを胸に夏の甲子園にふさわしいチームになるよう練習していこう」と呼びかけた。

 北海道地区の候補校に選出後、昨秋の道大会で課題だった速球に対する打撃強化と体重増加に取り組んできた。雪の日も圧雪したグラウンドでアドバイスを送り合いながらバットを振った。

 宍戸瑛太主将(2年)は自分たちの努力で甲子園が近づいたことを実感したという。「部員全員が夏の最後を勝ちきるために気持ちを切り替える」と話した。

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