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次期社長に決まった東京海上ホールディングスの小池昌洋常務執行役員=14日午後、東京都千代田区

 東京海上ホールディングス(HD)は14日、小池昌洋常務執行役員(53)が社長に就く人事を発表した。HDの役員11人抜きでの抜擢(ばってき)となり、大手金融機関としては最年少のトップとなる。小宮暁社長(64)は代表権のない会長となる。

 6月の株主総会を経て就任する。小池氏は1994年に東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)に入社。米国の再保険子会社の現場責任者を務めるなど海外部門を長く経験。東京海上日動と東京海上HDの双方で経営企画部長を歴任し、「国内、海外ともに精通している」(小宮社長)という。

 同社では国内事業で、企業保険のカルテルや情報漏洩(ろうえい)など不祥事が相次ぎ、改革の途上だ。一方、海外の事業比率を高めているほか、防災・減災事業など多角化も進めている。

 小池氏は会見で「不祥事が起きたことは非常に重く受け止めており、信頼回復につなげることがグループの優先課題だ」と言及。そのうえで、多角化するグループ経営について「グループ全体の一体化の深化を模索していく」と語った。

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