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リースリング種の収穫作業=8月21日、東京都青梅市提供

 東京都内でも数少ないワイン原料用ブドウの栽培地である青梅で、今夏の収穫量が激減した。関係者が危機感を募らせる、その原因とは。

 青梅市内では、ワインの産地として有名なドイツの姉妹都市ボッパルト市から贈られた白、赤ワイン用のブドウの木約130本を3農園で育てている。作業にあたるのは、青梅市から委託を受けた市社会福祉事業団が就労を支援する障害者とその家族、職員、地元農家ら。白用のリースリング種は年平均2千~3千キロ、赤用のロメオ種で1千キロほどを収穫する。ブドウは山梨県や都内のワイナリーで醸造され、市内の酒店で販売したり、ふるさと納税の返礼品にしたりしている。

 今夏の異変に気づいたのはリースリング種を収穫した8月下旬だった。農園で一斉に収穫したところ、昨年の3980キロから約3分の1の1369キロに落ち込んだ。ロメオ種も昨年より約150キロ少ない918キロだった。

 市によると、不作の原因は夏…

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