東京マラソンが2日、9月の世界選手権東京大会の代表選考会を兼ねて都庁~東京駅前の42・195キロで争われ、女子は安藤友香(しまむら)が2時間23分37秒で日本勢最高の11位に入った。代表選考の対象となるジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズのポイントランキングで1位に浮上。世界選手権の代表に前進した。ストゥメアセファ・ケベデ(エチオピア)が2時間16分31秒で制し、2連覇。

 男子は市山翼(サンベルクス)が2時間6分0秒の10位で日本勢トップとなり、世界選手権の参加標準記録(2時間6分30秒)を突破した。タデセ・タケレ(エチオピア)が2時間3分23秒で初優勝した。日本歴代2位の記録を持つ池田耀平(花王)は2時間6分48秒の14位に終わった。

(スタート時の天気は晴れ、気温14度、湿度41%)

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安藤、最後まであきらめない

 世界選手権の代表選出に近づいた女子の安藤友香は「自分の記録を破れなかった」と悔しがった。

 誤算があった。途中まで世界選手権参加標準記録を3分以上上回るペースで進んだ高速レース。東京マラソン特有の男女混合の集団にいた安藤は、20キロ付近で給水をし損ねた。

 気温20度に迫る暑さが体力を奪っていく。30キロ時点でのゴール予測タイムは2時間20分台と良好だった。しかし、徐々に脱水気味になり、単独走となった30キロ以降からは、足が進まなかった。目標の自己記録(2時間21分18秒)も更新できなかった。

 その記録を出した昨年の名古屋ウィメンズ以降、左大腿(だいたい)骨を疲労骨折して半年ほど競技から離れた。その間、所属先も変わった。支えてくれた人たちに恩返しをすると決めている。その集大成が2028年ロサンゼルス五輪になる。

 世界選手権のマラソン出場歴はあるが、五輪は悲願。今年の世界選手権を「初出場」への足がかりにしたい。9日の名古屋の結果を受けて女子の代表が決まる。「最後まで全力で諦めない」というモットーを胸に、吉報を待つ。

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