4月に開催された世界最大の高級腕時計展示会ウォッチーズ&ワンダーズ(WW)を運営するWW財団のマチュー・ユメールCEOが朝日新聞の単独インタビューに応じた。本格的なポスト・コロナとなり、バイヤーとジャーナリスト、一般来場者を合わせて過去最高の4万9千人が来場したイベントの成果や、未参加の有力ブランドなどについて尋ねた。
――今年の成果は
参加の全54ブランドとの関係性を強化できた。昨年はバイヤーとプレス以外の一般の方々にも初めて入場券を発売し、後半の2日間を開放したが、今年は3日間、開放した。ブランド側の「もっとエンドユーザーに直接的に訴えたい」という提案を受けた。チケットは昨年より7千枚多い1万9千枚が売れた。
――ジュネーブ市街でのライブや時計ブランドが開催するイベントも多数あった
若い人や子どもたちを対象にした催しにも力を入れた。54の全参加ブランドが協力し、将来の時計師や時計業界で働いてくれる人たちへのアピールをしたい、時計に関する関心を呼び寄せたいという思いだった。一般の人々が参加できるイベントが多かったというのも画期的だったと自負している。ヨーロッパだけでなく、米国やアジアからも多くの人がきてくれた。
――2019年まで開催され、かつては世界最大の腕時計の見本市だった「バーゼルワールド」に代わり、WWの立場は確固たるものになった。その要因とは
企業が主催していたバーゼルとは違い、財団を設立したWWは非営利団体。28人からなる組織の我々は、活性化の努力も、経費削減もしながら参加ブランドと共に歩んでいる。
――今後、WWは参加ブランド数を増やしていくのか。現時点では、オメガやブレゲなどを擁するスウォッチグループや、ブライトリング、ブルガリ、グッチは参加していない。こうしたブランドの参加も目指すのか
有力ブランドの更なる参加を実現するためには…
もちろん願っている。現在参…